「母国語の語彙は思考であり情緒なのである」
これは藤原正彦氏の著書『祖国とは国語』の一説です。
これを強く感じたのは、相方と一緒に遊ぶために『モンスターハンター・ワールド』を英語でプレイしていた時のこと。前作を日本語でプレイした私にとってあの猫型獣人は『Felyne』ではなく『アイルー』であるし、回復薬は『回復薬グレート』であって『Mega Potion』ではない。英語だと全く味気ないアイテム名になってしまっているように感じてしまって、途中からアイテム収集が退屈になり相方に丸投げするようになったんですよ。むしろ私はアイテムを集めるためにモンハンをしてたレベルなのに。
そう!これが藤原氏の言わんとする「母国語の語彙は思考であり情緒なのである」ということなんだと思います!
今日、なんとなくFacebookを見ていると、ドイツはベルリンの某モバイルゲームスタジオで働くゲームデザイナーの知人が書籍を出版したという内容の投稿が流れてきました。
彼は日本のゲームスタジオでも働いていたこともあり、日本語での投稿も添えられていて、私は深く深く深〜く感銘を受けたんです。
その投稿がこちら
このたび、私が3年間かけて執筆した『ゲームデザイン芸術のアル・ハラブ』を出版できる運びとなり、大変嬉しく思っています。この本は、アラビア語で書かれた初めてのゲームデザインについてのテキスト本となっています。この書籍を出版することによって、外国語をマスターするという膨大な時間と労力をかけずとも、ゲームデザインについて学べるための架け橋となることを願っています。私はできる限り本書を低価格で出版し、すべての人にとって入手可能な本にしたいと考えました。価格は、アマゾンが規定するページ数に対する最低価格に設定しています。残念ながら、Kindle版はアラビア語のサポートがないため、デジタル配信についてはまだ実現できずにいます。
出版にあたりご支援をいただいたすべての方々、そしてこれまでお世話になったすべての方々に感謝を申し上げます。そのご氏名をすべて記載させていただくとあまりに膨大になってしまうためここでは控えさせていただきますが、私の謝意が伝わっていることを確信しています。
英語でのゲームデザインについて書かれた書籍や情報は世の中に溢れるほどたくさんありますが、やはりそれを読んで使えるようになる為には英語読解能力の習得がマストで、それを本当に理解するには英語が母語の人たちの何倍もの時間がかかる。そんな教育の機会損失があって良いわけがない!
ゲームは誰にでも楽しめるものだし、誰にでも作れるチャンスのある素晴らしいアートでありエンターテイメントでなんです。
そういえば、中東系に多く見られるイスラミック芸術を美しく表現した物理パズルゲーム『Engare』も素晴らしすぎて涙がでるゲームだったので、きっとアラビア語圏からまだ誰も見たことのない、新しいゲームが生まれてくる日もそう遠くないでしょう。
ゲームの可能性は無限大!