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北欧でゲームのお仕事

光は影と生と死と。『LIMBO』『INSIDE』がNintendo Switchでついにリリース!/Playdead オフィスにまた行ってきた!

ちょっとポエミィなタイトルをつけてみました!ついに『LIMBO』『INSIDE』がNintendo Switchでリリースということで、再度のPlaydeadについての投稿です!

 

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『LIMBO』は私史上、初めて有料で購入したモバイルゲームでした。それまではカラフルでポップなパズルゲームとか育成シュミレーションゲームしか遊んで来なかった私にとって、このゲームは衝撃以外の何物でもありませんでした。

 

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私にはその昔、個人的に自分が操作しているキャラクターが死ぬゲームは好きではないという感情的にそこそこ繊細な時期がありました。まぁ遅い思春期といいますか、こう「死」というものを軽々しく扱ったゲームにちょっと反発があったというか「死んでもどうせ生き返るんでしょ?」「リセットボタンを押せばやり直せるんでしょ?」と言ったような。この時、私は現実社会に逃れられないストレスがあって「この状況をやり直すには一回死ぬしかないんかい!」みたいな、現実では起こってはいけないシーンが、ゲーム内でいとも簡単に行われるのが許せなかったし、反発したかった。という意味不明な時期があったのです。

 

 

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今、考えると意味がわからないな

 

 

そんな時に、友人がオススメしてくれたゲームが『LIMBO』。ストーリーは妹を探す為にお兄ちゃんが危険な森を進んで行くパズルアクションゲーム。そのダークな世界観と、シンプルなキャラクター。キャラクターの死に方も結構リアルで胸が痛い、でも進まないといけない。気づけば何度も何度も死んで、何度も何度も生き返ってパズルを解いて進んでいました。このゲームのおかげでゲーム内での「死」という現象は「リセット」「再生」というよりも「進む」「挑戦する」「あきらめない」といったような「ポジティブなエネルギーも含むんだ」ということを学びました。そしてすべてのパズルをクリアしてゲームは終わったはずなのに、胸につかえるモヤモヤした気持ち。なんだこのヨルゴス・ランティモス監督の映画みたいなエンディング。そして、否応なく考えさせられる「生と死」。そんなゲームなのです。

 

 iOS版、Steam版は下記。PSやXBOXでも配信されています。

LIMBO

LIMBO

  • Playdead
  • Games
  • $3.99

 

 

 

そして、Playdeadのもう一つのゲーム『INSIDE』

 


このゲームの世界は、まさに私にとって谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の世界。

 

日本の漆器蒔絵の道具も、日本の「陰翳」のある家屋の中で映え、より一層の美しさを増す。我々の祖先が作った生活道具の装飾などは、そうした日本の自然の中で培ってきた美意識で成り立っており、実に精緻な考えに基づいている。日本人は陰翳の濃淡を利用し、その美を考慮に入れ建築設計していた。物体にあるのではなくて、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にある。- Wiki

 

北欧の都市部ではスーパーミニマルでスタイリッシュなデザイン建築・家具が有名ですが、欧米の近代的な建築物にみられる全部がピカピカした完璧なトロフィービルや、完全に部屋全体を照らす白熱照明などはかなり少ないように感じるんですよね。むしろ暖色の室内電球やキャンドルが織りなす光が、スタイリッシュな家具の影を白壁に投影し、光が産み出す影(余韻)を北欧の人々は楽しんでいるようにさえ思います。(特に冬は暗いからね)そういうところがちょっと日本が長年親しんで来た陰翳の濃淡の美学にちょっと通じるところがあるなぁ〜とさえ思わせてくれるゲームなのです。

 

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ストーリーは『LIMBO』と同様、ゲームとは思えない「生死感」そして「人間って?」感を醸し出しています。ストーリー設計の素晴らしさを伝える語彙が私にはないので、ぜひプレイして感じてみてください。

 

Playdead's INSIDE

Playdead's INSIDE

  • Playdead
  • Games
  • Free

 

 

 ゲームの素晴らしさは今週発売のファミ通さんで20ページにもわたってPlaydead特集が掲載されるということなので、是非皆さんも読んでみてください。それにしても20ページってすごい熱量ですよね。私も読みたい!

 

週刊ファミ通2018年7月19日号(2018年7月5日発売)で20ページ強にわたる“Playdead特集”として掲載予定。

 

 

 

 

 そしてここからは、またPlaydeadに行って来た話です!

 

 

去年も「Playdeadに行って来た!」記事を書きましたが、こちら↓はPlaydeadの旧オフィスでした。

 

 

 今回は新しいPlaydeadの新オフィスのハウスウォーミングパーティーということで行って来ました!なんと開催日が先週末の6月22日という私の誕生日と同日だったので、Playdeadの盛大なパーティー = 自分の誕生日パーティ!と脳内変換して、思いっきり満喫してきました。

 

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街のほぼ中心地にあるオフィス

 

実は、Playdeadがこのオフィスに入る前はCape CopenhagenというLEGOなどのゲーム製作を手がけたゲームスタジオが入ってまして、まぁ私も旦那も働いていたゲームスタジオなのですが・・・・ちょっと懐かしい思い出の場所でもあるのです。今回Playdeadが入ると聞いて、オフィスに活気が出るのはかなり喜ばしいなぁと思いつつ、の訪問でした。

 

 

ちなみにオフィスに入る前にはこういうアーケードがありまして

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オフィスに入る前のアーケード

 

その昔、酔っ払った人がこの壁をよじ登ってここにあった天使の像を持って行ってしまって、CCTVに一部始終が写ってたのに犯人を特定できず、今でも天使が一体いない状態。っていうこのトリビアコペンハーゲンに来る際は是非使ってください。

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久しぶりのこのオフィス!さて、パーティの様子を紹介していきます!

 

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DJはパーティーには欠かせない!

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200人以上のパーティー

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フードも充実!

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ポップコーン食べ放題!!

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カクテル飲み放題!

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かっこいいお姉さんにカクテルをオーダー!

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このパリピ感!

 

ちなみにカクテルの先の窓から見える先には、私の通ってたホットヨガスタジオがあるんですが、本当にモデルさんみたいなデンマーク美女が存在しすぎるヨガスタジオなのです。特に平日の昼辺り。是非このトリビアもどうぞお使いください。

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ホットヨガスタジオ



Playdeadが受賞した賞は数知れず・・・

 

今年のApple Design Awardも取得!単純にもう「すごい」しか出ない自分の語彙力が憎いんですが、Apple Design Awardの盾がこのデザインなのも「すごい」し、こういう風に電飾で盾をデコレーションしてディスプレイするスタイルも「すごい」という、もうどう転がしても「すごい」しか言いようがないんですよね。

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今年のアワードですよ2018!

 

ちなみにオフィスには屋上があるのですが、ここからの眺めが最高です!白夜最高!

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屋上からの眺め午後9時

 

360度コペンハーゲンの市内が見渡せるんですね!本当に美しい!

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コペンハーゲン市内

 

コペンハーゲンは建物の高さ規制があり、バリバリに高いトロフィービルがないので、ちょっと京都を思い起こさせてくれます。そういうところも結構好きでした、コペンハーゲン

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コペンハーゲン市内


この時期は夜の10時を過ぎてもまだ明るいので、眠たくならないのでずっと飲んでいられます。12時くらいになるとみんな「朝まで飲もうぜ!」みたいな変なスイッチが入ってきて楽しくなります。

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夏至の空

 後ろ髪を引かれつつ、私は午前1時頃パーティを後にしました。帰り道、ぽちぽち歩きながら「なんでこの世にはこんなに才能溢れまくってる人が多いんだろう」と、Playdeadのスタッフの能力の一人一人の高さと、その才能がない自分を恨めしく思ったり。そんな真夜中の道中、ファラフェルを買ってもぐもぐしながら、家に辿り着きました。(飲んだ後のファラフェルは最高!)

 

次の新しいゲームもかなり期待しています。

 

 

 

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 現場からは以上です!