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北欧でゲームのお仕事

【忘備録】現在制作中のゲームについて<プロトタイプ制作編>

現在、制作中のゲームが2つあるんですが、一つはスペースミニマルバーティカルシューターのゲームです。

 
現在モバイル向けに制作しているのですが、良いレベルデザインができればNintendo Switch向けにも対応させたいです!(希望!)ちなみに今回のエントリーはただ忘備録であまり有益な情報などは含まれていません。ご注意ください。

 

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第一プロトタイプはクリアファイルを切ってレイヤーをいくつか作成して動かせるところまで再現。それに加えゲームのターゲットオーディエンスを絞り込みます。ここまでに2週間。(ちなみにあぁこういうゲームが作ってみたいなぁと思い始めてから数ヶ月は経ってますが)

 

第二プロトタイプ初期は、そのクリアファイルの動きを元にプログラマーにアイディアを共有し、ゲームエンジンを少しづつ作成。簡単なイラストを当てはめてゲームプレイを確認。ここからUI, UXの改善を重ねて重ねて重ねてトライアンドエラーをすること約3週間。ようやく人に見せられるレベルに到達します。(※この頃までには自分でプレイしすぎてて、何が面白いのかがわからなくなるという沼に陥ります。)

 

第二プロトタイプ中盤、友人にテストプレイをしてもらい、フィードバックを受けつつUI,UXの改善をしていきます。今回のフィードバック大会で一番返事ができなかったのは、「なんでこのゲームエンジンで舞台が宇宙である必要性があるのか?」というフィードバック。確かにスペース系シューターのゲームは、ミリタリージャンルと同じでいつの時代も一定層のファンが存在しているし、スペース空間というだけで、次元の歪みやブラックホールなんかでレベルデザインのストーリーが作りやすいし、今年の初めにスティーヴン・ホーキングが亡くなって、こう宇宙のことを沢山考えていた時期ということもあって宇宙ベースにしたんですが、今熱が冷めて考えてみると、別に宇宙じゃなくてもいいかなと。

 

プロトタイプスクショ(現在)

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そこで、再度チームで世界観の設定のアイディア出し直しのミーティングを2時間。理想の世界観を話すのはとても楽しいものなんですが、その世界観を表現してくれるリードデザイナーを探すのは、世界広しといえど超困難中の困難で。もし「これぞ!」っていうテイストのアーティストを見つけたとしても、そういう人とプロジェクトのタイミングが合うことも奇跡中の奇跡で、なかなか難しいので、自分たちで作成可能な範囲でまずはミニマルな世界観をイラレで作ってみてシュミレーションします。

 

今回でいちばん好きなリプレイスアイディアは「触手と眼球の世界」っていう世界観の意見が出てきてかなり妄想が膨らんだ瞬間でやっぱチームでディベートすることは必要だなぁとしみじみしたり、あとはクリアファイルで第一プロトタイプを作ってたことから、「クリアファイル王国の危機、ペーパーレス時代!」みたいな、もう最終的に頭おかしいアイディアが出てくるチームがめちゃ好きです。

 

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触手コンセプトはなんかいい!

 

 

とはいえ、舞台が宇宙じゃ無くなると、これまで作ったレベルが全く意味をなさなくなることも普通で、もちろんそれも想定してプロトタイプの段階では20個くらいのレベルしかデザインしないのですが、それでも結構大打撃です。ここらへんから開発が行き詰まってくる感がして、だんだん自分達が作ってるゲームに対して疑心暗鬼になってきて、いつまで立ってもリリースできないんじゃないか?みたいな不安の沼に陥ります。

 

今回はプロトタイプ作成費に応募して審査が通って(!)助成金を受けて作っているのですが、2ヶ月も過ぎると助成金の底が見えてきて、「あわわわわ」ってなり始めます。

 

日本でゲームのプロジェクトに関わっていた頃はある程度予算があったし、結構良いアイディアがでるまではミーティングを重ねてゴタゴタしてた記憶があるんですが、自分たちでゲームを作るとなると、自分たちで自由に好きなゲームが作れる反面、会社(資金)という後ろ盾が無くなるという経済的な不安も多少発生しますね(これは多分私がサラリーマン時代が長かった副作用なせいですが)

 

一番の理想は、自分たちのゲームをリリースして、そこから収益を得て次のゲームを制作できる環境なんですが、結構それって「ニワトリ&タマゴ」なところもあって、なかなか100%自力でゲームを作成してそれで喰って行こうとすることって容易ではない(あたりまえだ!)っていうのはわかっているのですが。とはいえ、現在の仕事はサイドワークがOKで、周りにはたくさん優秀な開発者の人たちがいるので、たくさん学んで、時間がかかったとしてもちゃんとコツコツ少しづつでも自分のプロダクトが前進していければなぁと思うのです。

 

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さて、スペースミニマルバーティカルシューターどうなるか?北欧に移住してから初めてのタイトル、どうなるか?

 

次回はプロトタイプ後のバーティカルスライスについて書ければと思います!

 

 

現場からは以上です!