さて、いよいよ腐った話も最終編です。
前編はこちら
hokuogamecat.hatenablog.com中編はこちら!
さて今回は、チームの恋愛シミュレーションを作る許可が下りてから、7人の侍の如く仲間を集める旅に出かけた私の話を聞いてほしい。
ヴィジュアルノベルは、アクションゲームと違って、複雑なコーディングがいらない。Unityなんかも全く使う必要はない。という事はプログラマーはいらない。
そう!このRen'Pyを使えば!!
Ren'Pyはヴィジュアルノベルに特化されたエンジンで、なんと無料!ゲーム内の会話のルート(遷移)なんかも簡単に表示できるし、画像やキャラクターのフェードイン、フェードアウト、音楽の挿入、切り替えも簡単!しかも複雑なコードは触らないので、バグがほとんどない!
ローカライズ機能もついていて、Ren'Pyのコード上で翻訳できるのもおすすめ!もうエクセルシートで翻訳しなくていい。*絶賛、日本の翻訳者さんに翻訳していただき中!
プログラマーが必要ないので、最小チームは、キャラクターデザイナーとスクリプトライター/ナラティブライターとプランナー(企画)の私の3人。
早速、キャラデザを担当できる人を探そうと思った時に、企画者として判断に迷ったところは、
1、思いっきりエイプリルフールってわかる様に振り切って、日本のアニメテイストバリバリでいく。海外のスタジオがこれやると絶対パロディって一発でわかるやつ。
うたの☆プリンスさまっ♪公式Webサイト
2、それともコテコテ欧米ダンディー風?目指すはDream Daddy
うむ・・・Flamebait Gamesのユーザーオーディエンスは丁度、アジア・欧米とバランスがよく取れており、そんなにどっちに向けて作ったからと言って重要な事ではない。
そうだ!
それなら、中間を目指そう!それかどっちにも寄らない新しいテイストを!そうじゃないとゲーム作る意味なんかない!
という事で、キャラクターデザイナーを探していたところ、旦那の働くゲームスタジオに日本が大好きなスウェーデンのデザイナーがいるとの噂が!ちょっぱやで口説きに行き、話してみると私以上に腐っており、私の企画の仲間に入れて欲しそうな顔でこちらを見ていた。
結果
☑️ キャラクターデザイナー確保
そして、彼女の知り合いで音楽ヘルプ&進行管理のPMも確保した。
次は、ナラティブライター!スウェーデンの知り合いのゲームスタジオにいつも原宿スタイルで出社している3Dアーティストのベルギー出身女子。ヴィジュアルノベルが好きなのは確認済み!ただ好きなのと書けるのは違うので、どんなものかとカジュアルに声をかけてみたら、仲間に入りたそうにこちらをみている。
結果
☑️ ナラティブライター確保
そして彼女の友達で現役のナラティブライターのネイティブチェッカーも確保した。
メンバーは、日本人の私を筆頭に、スウェーデン人、アイスランド人、ベルギー人、カナダ人と国際色豊かになったが、全員に共通していることは腐っている事だった。
腐ってるもの同士は自然に惹かれ合う
スタンド使い同士もそうなので、きっとそういうことなのだろう・・・・
という事で、Flamebait GamesのチームからもらったNG案に気をつけながら、ストーリーを作っていく。その工程はとても楽しかった。デートやキスや付き合う事がゴールではない恋愛シミュレーションは、ドキドキするシーンを作りにくい。そう思っていたが、言葉の力は凄まじかった。
全てのルートを書き終えた頃、その文字数は13,000文字、A4ペラにすると30−40枚程度。よく書いたし、何度も良く読んだ。こんなにも文字を読んだのは大学の自分の卒論以来ではないだろうか。
5人のキャラクターデザインへのフィードバックも楽しかった。絶対に普通の人からみるとこんな風には見えないのだと思うが、私の中では完全に彼らはこう言ったキャラになっている。うん。みんな個性がバラバラでとても良い。
あと、ベンガンのキャラクターがエレンに似てると言われすぎているのだが、インスピレーションは北欧神話のロキから来ていて、長髪のグスタフは同じく北欧神話のソーから来ている。ヴィクターは、スウェーデンの有名なKalles Kaviar(なんか塩っぱいたらこがチューブに詰まったスウェーデンの食べ物)から来ている。
ゲームに必須のトレイラーもポップな感じで作成!音楽は海外のフリーランス依頼サービスFiverrでオリジナルで8000円程。トレイラーのアニメーション化も知り合いに頼んで1万円程度と相成った。
ちなみに、ボイスもチーム本人達にとらせてもらって、なかなかリッチな感じのゲームになりました。
はー楽しかった。
さてさて、そろそろまとめに入るとしましょうか?
<勤務先のゲームスタジオに恋愛シミュレーションゲームを作りたいと懇願した結果>
結果
腐っている事を肯定しあえる仲間に出会え、Rotten Raccoons(腐ったタヌキたち)という乙女ゲーム開発チームが爆誕した!
最初はエイプリルフールの為に簡単な動く物を作る企画だったのが、真剣になりすぎた。全員、本業の合間を縫って、計4ヶ月でゲームを1本リリースすることになった。2ヶ月を超えたあたりから結束力は増してゆき、現在に至る。
リリース2週間の結果は、ページ自体は7,800View程で、Downloadsが1,900超え。もちろん無料なので、もう少し行くかなとは思っていたが、まぁかなりニッチなゲームな割に、意外とダウンロード伸びたな。。という感想。そして無料なのにプレイヤーからの寄付が$60も・・・。23評価中22個が5スターで1つが4スターという高評価ぶりも、かなり嬉しい。
エイプリルフールの結果としては、まあまあソコソコ。爆発的な反響はなかったものの、7000人以上の人たちが、Flamebait Gamesの名前のついたページを見てくれたのは結構大きい事なので、今年はそれでよかったとしよう!
という事で、itch.ioで絶賛配信中!(英語版)、日本語版は5月の下旬らへんにどこかの日本のゲームプラットフォームで配信しようと思います!
という事で、
勤務先のゲームスタジオに恋愛シミュレーションゲームを作りたいと懇願した結果
別のゲームスタジオが誕生した!という結果になりました。
サイドプロジェクトをサポート&プレイテストしてくれたFlamebait Gamesのチームのみんな、本当にありがとう!みんな大好き!
そして、これからも、自信を持って「腐っていこう!」と思うのでした。
チャンチャン。
最後までお読み頂きありがとうございます。ちょっと忘備録みたいな感じで読みずらい部分もあったかもしれません。すみません。
ちなみにRotten Raccoonsは次の作品のブレスト中です。今回はマイルドだったので次は攻めていこうと思います。そして最終的にはオトメイトから声がかかるレベル目指すぞ!
引き続きどうぞヨロシクです!