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北欧でゲームのお仕事

自分が何者でもなかった東京のあの若くて蒸し暑い夏を思い出すヴィジュアルノベルゲーム『Stilstand(停滞)』

「自分は大丈夫、なんとかなる。」「自分はきっと大丈夫・・・」根拠はどこにもなかったけれど、いつだって私はそう思ってきたし、そうして今の自分があることは後悔していない。

 

今回は、そういう気持ちの真っ只中にいる人にも、それを超えた人にも、きっと全員に経験があるノベルゲームだと思った。なので紹介したい。


ゲームのタイトルは『Stilstand(停滞)』、デンマーク発の作品。

 

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このゲームは悩める女子の心の動きを体験していくものではあるが、要所要所にミニゲームインタラクティブ要素が入っている。ゲームというよりはインタラクティブダーク絵本と言った方が近い感じもする。

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大人のダーク絵本

 

このストーリーの舞台はコペンハーゲンの暑い夏。


私はコペンハーゲンに2年しか住んでいなかったけど地球温暖化の影響(多分)で、北欧と思えない程、夏は暑かった。

 

北欧のアパートメントは寒い気候に合わせて保温性に優れている。冬は家の中は全く寒くない。が、夏が暑くなることに耐性がない。人々も寒いのには強いが暑いのには耐性がない。クーラーなんてましてない。なので、北欧の暑い夏は部屋の中がサウナ状態になる。

 

なので、この主人公がパンツ一丁で「暑い、暑い」と言っているのはそのせい。

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私の東京のワンルームアパートの広さ懐かしい

 

私が東京でワンルームマンションに住んでいた頃、本当にこんな感じの時があった。

今思い返せば、この黒い妖怪のようなものも見えていたような気さえする。

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「本当の愛なんてTVドラマの中でしか存在していない」とか言いながら、人肌が恋しいと思ったことも幾度となくあった。彼氏はずっといなかったから、とりあえず手当たり次第、デートしてみたり。そしてデートの帰り道でもっと虚しくなったり。

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人肌が恋しい

 

でもきっといつかは王子様が迎えにきてくれる、石油王の第二夫人に迎えられるとか、ありもしない非現実な妄想をして、時間をただただ潰していた。無駄だとは思わなかったけど生産性があったとは思えない。でも、寝られないから色々考えちゃう。そんな年頃だった。

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妄想もいっぱいしちゃう

 

周りの人に心配されても、天邪鬼な返事を答えがち、そう自分の内面の声にも。

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思い出すと胸が苦しくなる。

 

しかもこのダークな鉛筆画と黒の濃淡の表現が胸に刺さる。

 

ゲームのコメントで「絵が汚い」っと書かれていたけど、きっとこれが洗練された綺麗な絵だったら私には刺さらなかった。

 

筆者の実体験を一枚一枚心の表現を描くようにアナログで書かれた絵は、見辛いかもしれないが、筆者の葛藤や不安や淡い希望なんかがよく伝わってくる。

 

また主人公の顔が自分の部屋では結構適当になってるのもよくわかる。一人の部屋だと全く顔の筋肉を使わないから、鏡を見るとびっくりするぐらい不細工になっている時もある。体の筋肉だってダルダルだし。

 

 

きっと、誰にでも関係ある。

 

そんなインタラクティブ大人のダーク絵本『Stilstand(停滞)』


全てのプラットフォームで日本語対応。


カフェでコーヒーを飲みながら、ソファでぬくぬくしながらプレイするのをお勧めします。

 

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