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北欧でゲームのお仕事

行ってきたレポ!Sweden Game Conference2019(スウェーデンゲームカンファレンス)

公園の葉が少しづつ色づき始め、季節の移り変わりを感じる美しいこの時期、北欧ではクリスマスのオーナメントが店に並び始め、既に一年の終わりが近い事に驚愕の色が隠しきれず、紅葉の色に反して真っ青になっている私です。

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秋めいてきた!

 

 

「最近、時間の経過がめちゃくちゃ早く感じる・・・時間をもっと大切にしないと。」

 

 

という気持ちとは裏腹に先週の頭からSweden Game Conference2019(スウェーデンゲームカンファレンス)に参加してきました。忙しすぎて時が一瞬で飛びましたね。

 

 

という事で、参加レポをば。

 

 

開催はスウェーデンのSkövde(スコブデ/フォブデ)という本当に小さな街で開催されます。日本でいうと群馬って感じですかね(主要都市から電車で2時間以上離れていて、海に面していない街なので)

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スポーツアレーナでの開催

 

今年のカンファレンスのテーマは「サスティナビリティとゲーム」ということもあり、会場の中にはリサイクルで作られた森のミーティングシートが配置され、ブースも全て紙で出来ていました。

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ゆるい

 

このカンファレンスやブースをデザインしている担当者は、こうゴリゴリにゲームゲームというデザインとかカッコイイスタイリッシュな感じじゃなくて、ゲームは誰にでも作れるし、楽しめるものなんだという気持ちを込めて、少しふんわりしたパステル調にまとめてあるそうです。

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ミーティングブースもゆるい

 

キャンプのベースがどーん。

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ようこそ

というのも、このSweden Game Conference2019(スウェーデンゲームカンファレンス)を運営する、The Game Incubater(ザゲームインキュベーター)が関わっています。このインキュベーターは、ゲームを作ったけど、どうすればいいの?というのを助けてくれる非営利団体です。

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このインキュベータープログラムに参加してから、ゲーム会社を立ち上げて、ビジネスに必要なこと、ゲームを作ってリリースする以外に何が必要なのか?マーケティングって?法的なことはどうすれば?というゲーム会社を運営していく上での重要なビジネス面をしっかりとサポートして支えてくれるインキュベーターなのです。キャンプに例えて描かれたロードマップは誰にでもわかりやすく、「あぁ私でも出来そうだな」って思わせてくれるところが素晴らしいです。日本の会社歴史紹介から始まる字詰めのパンフレットとは大違いですね。

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わかりやすい

 

オープニングスピーチにはスウェーデンのエネルギー&デジタル大臣が来てました。彼の視点から見たゲームにおけるサスティナビリティという話の中に、地球温暖化とゲームで使用するサーバーの冷却の話が出ていて、あぁエネルギー面から見るとそういう視点もあるんだと中々勉強になりました。

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偉い人来てた

 

カンファレンス1日目の夜は私の勤務するゲームスタジオのオフィスでパーティを開催する事になり、入社して2ヶ月でパーティーの仕切りをば。初期60人の参加者到達が目標だったのが、蓋を開けてみると100人近い人が来てくれて、深夜2時半までてんやわんやの楽しいパーティでした。あぁ東京で自分主催のパーティを結構開いてた広告代理店時代の経験がこんなところで役立つとは・・・過去の自分ありがとう。点が線になるってこういうことだね、スティーブ・ジョブズ

 

 

2日目はカンファレンスのアワードディナーに参加。

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アワード

 

 

がっつり着席制のディナーでした。結構苦手なんですよね、同じテーブルの人と3時間近く離さないといけないの。

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着席制のディナーは苦手

 


食事はヴィーガンオプションがあり助かりました。

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ヴィーガンオプション

 

カンファレンスの最大のアワードであるSAGAアワードを受賞したのは、大学生15名のチームにより製作された『Stellar Transports』 

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アワード

 

『Stellar Transports』はパズルプラットフォーマーで宇宙船の中でいろんな形の荷物を管理&整頓するゲーム。トレイラーはこちら。カラーコンビネーションやキャラクターがかわいいけれど、時間内にクリアしなければいけない感じのバランスがうまく取れていると思います。学生でこのクオリティは将来有望としか言えない感じですね。

 

 

 

中々のハイクオリティゲームを生み出しているスウェーデンのSkövde(スコブデ/フォブデ)という街なのですが、何を隠そう、この街にはゲーム教育を行う大学があるからなんですね。専門学校じゃなくて、大学なので、ゲームを勉強して学位が取れるのはかなり良いですよね。この街から生まれたゲームにPasspartout(パスパルトゥー )やゴートシュミレーターCastleCats(キャッスル・キャッツ)なんかがあります。

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ここのインキュベーションから旅たったゲームたち

 

もしスウェーデンでゲーム製作を学んでみたいという人はこういうゲーム専門の大学に留学したりすると学位も取れて良いかもですね。スウェーデンの学位と日本の学位が互換性があるのかは不明ですが、気になる人はみてみてください。私もいつかはちゃんとアートを学んでみたいものです。

www.his.se

 

キャッスルキャッツの物販が行われていたので、ぬいぐるみをGET!インディーゲームでここまでグッズに力を入れている会社はぶっちゃけ初めてみました。最終的にはアニメ化するのが夢だとか!日本のアニメ製作会社のみなさん、いかがですか??

 

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キャッスルキャッツ

 

最終日は一般の市民にも公開されて、家族づれなんかでめちゃくちゃ盛り上がっていました。コスプレ大会もありました。

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コスプレ!!

 

 

ということでSweden Game Conference2019(スウェーデンゲームカンファレンス)はめちゃくちゃアットホームでこの街でゲームを学ぶ学生と、その学生を雇いたい結構大規模なゲーム会社との交流で賑わっていました。

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まったり

 


サスティナビリティという点では、次世代のゲーマーを育てる>次世代のゲームの作り手を育てる>ゲーム業界の雇用を増やす>地域が活性化する。みたいな持続可能性は少し垣間見れた気がしました。

 

 

個人的には学生のうちにしっかりとしたゲームが作れると、ポートフォリオとして実際の就職に超役立つし、むしろ就職しなくても卒業後に自分たちでゲームスタジオを作れる力量の域に達せられるので、本当に素晴らしいと思います。また学生のうちはマネタイズとか考える必要がないので、自由に自分たちの作りたいゲームを作れるので、のびのびとクリエイティビティが発揮できるのも、かなり良い環境ですよね。

 

 

 

人材も環境も経済発展の為に使い捨てにしない。産学共同がただの見せかけだけで終わらないゲーム業界のエコシステムの持続性を考えたそんなカンファレンスなのでした。

 

 

おわり