私たちの世界は情報で溢れかえっている。情報がたくさんあるが故に私たちはそれを取捨選択しなければならない。そうすると自分にとって心地良く都合の良いものだけを見て、自分にとって都合が悪いものには見て見ぬ振りをする。そう、臭いものには蓋をして、なかったことにする。
(今回はちょっとシリアス口調でエントリー書きます)
これは海外に出て驚いたことの一つなのだけれど、インドや中東方面のメディアなんかでは普通に空爆や交通事故などの事件を取り上げる際、普通にメディアにモザイクなしの人間の死体が映る。鮮血も、信じられない量の血痕も。自分が見たいか?見たくないかに関わらず目に入ってる現実は正直言って「残酷すぎる」。
そう言った紛争や理不尽な犯罪や事件が繰り返されるエリアがあると思えば「幸福度ランキング」などと言った国の幸福度を図りたがる機構があり、毎回上位ランキングの北欧諸国の存在がある。そう、私が今住んでいる北欧だ。
フィンランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、オランダ、スイス、スウェーデン・・・・。今、幸福と言われる国にだって、戦争があり苦しい時期があり、現在でも解決していない問題もたくさんある。私はもう(まだ)北欧在住5年目になるが、去年までノルウェーにおけるこの「レーベンスボルン」の問題は全然知らなかった。不幸、不幸と嘆く必要はないが、問題からは目をそらしてはならない。今回はそんなゲームを紹介したい。
今回はこの「レーベンスボルン」という史実をベースにしたゲームをご紹介したい。このゲームに関してはゲーマー日日新聞さんのエントリーで詳しく書かれているのもすごく勉強になる。
このゲームは、すごく簡単に説明すると、あなたは戦時中ドイツ人の父親とノルウェー人の母親の間に生まれた子どもを養子に迎える。戦後、親世代の戦争犯罪を理由に非難されるターゲットになり学校や地域・社会でいじめられてしまう養子と向かい合い、育て続けなければならないロールプレイゲーム。自分の子どもを養子に出した母親のこと、今はドイツにいる父親の事、ナチスの事、戦争の事、なんでいじめられるのか?こんなことを子どもに聞かれたら、あなたは正直に全てを話しますか?それとも子どもが大きくなるまで待ちますか?それはあなた次第。そんなゲームです。
歴史が分からなくても大丈夫、最初のイントロでストーリーが流れる。
ゲームプレイに関しては、他のゲームブログなんかで書かれているので、私がこのゲームのノルウェーっぽいところをいくつか紹介しようではありませんか!
1、ブルベリーとキノコ狩り!
このゲームは当時のノルウェーの様子もわかるが、今でもみんな森にブルベリーやマッシュルーム摘みに行くので、現在の北欧の感じもしみじみ感じられる。
2、トロールがいるよ!
北欧といえばトロール!北欧の妖精みたいなもの。ムーミンもムーミントロールという別名があるようにトロールの一種だったよね。カバじゃないよ。
3、服装と髪型
服は他の子どもたちにいじめられた時に、ズタボロになってしまう。でも繕って直してまた着る、それの繰り返し。こちらの人たちは「物持ちがいい」というんだろうか、服とかでも結構おばあちゃんのセーターを着ていたり、もう10年も同じジーンズ履いてる。という友達も結構いて、今持っているものを大切にする習慣はある気がしなくもない。あと私の養子のカリンは、くしを買ってあげるとこんな可愛い髪型に!
4、食事事情
ブルーベリージャムのパンやチーズの乗ってるパン、ハムの乗ってるパン、オートミールは今でも食べる朝食。多分パンがちょっと黒いのは焦げているわけではなくて、ライ麦パンなんだろう。魚はお店で買うと高いので、湖に釣りに行くとタダで魚が食べられるというストーリーの下りがたまらない。
5、残業はしない
このゲームを始めて私が一番最初に心に決めていたことは、絶対に「残業をしない」ということ、そしてカリンが「家にいて欲しい」という時は、仕事を100%休むということ。日本的にいうと「子どもに美味しいものを食べさせてあげるために残業してるんだよ」という人もいるだろうが、子どもにはそんなことわかるはずない。さみしいものはさみしい。いじめられて帰ってきて、家に誰もいなかったら、子どもの心はきっと折れてしまう。ゲーム内の「残業」はあくまでお金をたくさん稼ぐためのオプションであり、必ずしも残業しないといけないわけではない。北欧は日本に比べると残業の時間はかなり少ない。戦後当時はわからないが、「家族と仕事、どちらが大切か?」って聞かれたら、絶対「家族」。それは私は北欧に住んでから価値観が変わったことの一つ。だって17時になったらオフィスには誰もいなくなるからね。
プレイ時間はトータル2時間ほど。じっくり新聞の内容などを読むと3時間くらいになるかと。ヒュッゲ、フィーカ、北欧賛美の人々にじっくりと北欧の歴史について考えてもらえる素晴らしい史実を用いたゲームです。ぜひどうぞ。
もしあなたの7歳の子どもが「ナチスって何?」って聞いてきたら、どう答えますか?
現場からは以上です!