まずはこの芸術的なゲーム『オーバールックトレイル(Overlook Trail)』の芸術的(←語彙足りない)なまでのティザーを見て頂きましょうか。
このゲームは「夢の探索」をテーマにしたシュールレアリズムなビデオゲームです。ゲームプレイ映像はこちら
この『オーバールックトレイル(Overlook Trail)』を製作するのは、私の職場の真上にある、Longhand Electricというインディーゲームスタジオ。
グラフィックデザイナーのヘンリックがリード開発者とアートを担当し、プログラマーが1名のまさにマイクロゲームスタジオです。トレイラーから見て取れるようにアート中心でストーリーが進行していくような雰囲気から、ヘンリックのアーティスト性が垣間見えます。ゲームプレイにも今の所テキストがないのも、ゲームデザインの腕の見せ所でもあります!
そんなスウェーデンのインディーゲーム『オーバールックトレイル(Overlook Trail)』と日本の伝統と素敵な出会いがあったので、今回は紹介します!
ーー回想シーンーー
遡ること7年前、初めてヘンリックに会ったのは私がまだ東京にいた頃。インドの知り合いの友達から「友達が東京に行くから一緒にご飯でも行ってあげてよ」と連絡が来て、渋谷マークシティ階段下で出会った。待ち合わせ場所にいたヘンリックとその彼女は2人でただそこに立っているだけでモデルなのかと勘違してしまうほど眩しかった。
それから7年の月日が流れ、私はスウェーデンに引っ越し今は同じ建物でゲームを開発している。
ーー回想シーン終了ー
ということで、去年のなんでもないような平日に、職場の共同ランチスペースでヘンリックと昼ご飯を食べていて、ふと話題が日本のアートシーンの話に。
そこで色々な日本の画家さんや絵師さんの話をしていた時に、出て来た名前が京都で活動されている日本画家の斉藤和さん。
斉藤さんのTwitterに上がっている絵を見ながら2人で「良いよね〜」と話していたら、ヘンリックから「ねえ、絵は販売されているのか?聞いてみてもらえないかな?」と質問が。
私自身は、どこからか斉藤さんの事を知ったのか、母からか姉からか、はたまた絵画好きの父からか・・・。思い出せないが、とりあえず斉藤さんに問い合わせてみようと思い、販売の有無をメールで問い合わせたところ、すぐに返事がありました。
結果としては絵画は販売されていて、ヘンリックがとても好きな絵もまだあると。そこで色々値段やサイズの話をしていた所、斉藤さんから「ご希望のイメージがあれば描きますよ」というオファーが。
そのオファーにヘンリックは大喜びでオファーを受諾。『オーバールックトレイル(Overlook Trail)』のいくつかのイメージを見せて、斉藤さん的に思う世界を描いて欲しいとオーダー。特に世界観をゲームに寄せて欲しいなどではなく、自分のゲームの世界の解釈を斉藤さんに任せたいと。アーティストの極みや!!
という事で、絵が出来上がって、絵がスウェーデンに届くまでの全てのやり取りの通訳を今回はさせて頂きました。
そして出来上がった芸術作品がこちら!!
かぐや。https://t.co/02JysF6hQz
— 斉藤 和 (@saitoukazu) October 5, 2021
プロモーション用の原画です。とても楽しみです。 https://t.co/YjlyfU1xAg pic.twitter.com/tG2f3trbbZ
そしてプロモーション用にロゴがついたキーアートはこちら!
store.steampowered.comSteamのバナーにも使われているよ!
なんてこった!
8000Kmも離れたスウェーデンと日本の画家さんの出会い、そして、ゲームと伝統絵画との融合!まるで奇跡のようなコラボじゃないですか???
通訳のお礼にサンプルでプリントしたポスターをヘンリックからもらったので職場の窓際に飾っています!
アートとワインの雑誌にも、今回のコラボを特集して頂いたみたいです。
クリスマスイブの12/24、いよいよ「Gen de Art」発売です。全国の書店やネット通販にて。表紙には「雪の移ろう」、裏表紙には「月の袂に」、そしてじっくりと答えさせていただいた特集インタビュー記事。皆さま、宜しくお願いいたします。本当に楽しみです。https://t.co/JmwAGHQOpc https://t.co/atpVWF3AWf pic.twitter.com/OH0PJELpAf
— 斉藤 和 (@saitoukazu) December 18, 2021
ふー・・・尊いコラボでした。
通訳できてとても楽しかったです。
ゲームのリリースまではもうちょっとありますが、是非ウィッシュリストして、アップデート情報を入手しましょう!
<余談>
この『オーバールックトレイル(Overlook Trail)』のキーアートをずっと眺めていて、最近見た何かと同じ雰囲気を感じたことがあるなぁ・・・どこでだろうなぁと考えていたのですが、今日思い出しました!
それは京都のRoom6さんのヨカゼレーベルのメインビジュアル!
もちろん絵画としてのアプローチは違うんだけど、月といろんな種類の青が混じってる所、そしてなんとも言い難い安心感というか、自分はそこにいたことがあるような、暖かい情緒がある感じ。きっとそんな感じが、私の胸の中に響いたんだと思います。それかただ単に私が自分の実家の京都に3年も帰れてないので、京都のゲームパブリッシャーさんと京都の画家さんを「京都」という言葉で括ってしまっただけかもしれませんが、私にとっては素敵なつながりなので、それでもいいとします。
「伝統」「アート」「ゲーム」
どれも自分が大切にしているものなので、今回のコラボは、とても自分にとって意味のあるものになりました。
出会いよ。ありがとう。