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北欧でゲームのお仕事

『パスパルトゥー2:ザ・ロスト・アーティスト』Steam Next Fest June 2022 に参加した簡易おさらいとちょっとしたデータ

はい、『パスパルトゥー2:ザ・ロスト・アーティスト』がSteam Next Fest June 2022 に参加してきて十分な時間がたったので、チームに結果を報告しました。それをブログに書いてもいいよ。と許可がおりたので書きます。

結果

  • 新規14,290Wishlist獲得
  • Wholesome Direct(オンラインゲームイベント)以降からSteam Next Festが終わるまでの期間の平均Wishlistは1,268。普段は100前後
  • デモのDL数25,616DL, 実際にプレイした人15,112
  • 88のゲームメディアに掲載された
  • 46人のストリーマーがプレイしてくれた
  • ストリームのビュー数は総合で100万ビュー以上
  • ストリーマーのコメントはその殆どがポジティブ!

 

まぁ1週間のイベントで、オーガニック(広告なし)で、かなりニッチなタイトルなのに、上記の数字が出た事はかなりありがたい事です!!!

 

燃え尽きた画家シミュレーションアドベンチャーゲーム





『パスパルトゥー2:ザ・ロスト・アーティスト』のWishlistの動きはこんな感じ。6月11日にあったWholesome Direct(オンラインゲームショー)で大きく跳ねて、それが底上げになり、緩やかに下降という感じです。なので、6月13日、Steam Next Fest開始日には、そこを超えるスパイクではなかったので、近年のオンラインゲームショーの力をひしひしと感じているところ。実際にWholesome Directメディア本体からSteam pageへのアクセスは680しかなかったのですが、基本オンラインゲームショーは認知がメインのプロモーションなので、これはこれでよしとします。


下記、2021年にも参加しているWholesome Direct、何?なんでこれに出たの?って気になる人は下記見て見てください。

hokuogamecat.hatenablog.com

Gloomwoodというゲームを作成している会社もWishlistの数を公開していたのですが、Steam Next Festの直前にあったPC Gaming Showで1日に7000Wishlists獲得とあったので、このゲームはPC Gaming Showのオーディエンスとすごく相性がよかったんだと思います。あとこのゲーム「ザ!Steamゲーム!」って感じのSteamと相性ドンピシャな感じのゲームなんで、ここまでWishlistがあっても不思議ではありません。あとパブリッシャーついとるしね。

他のゲーム


Wishlistはさておき、ではSteamにどれだけのユーザーが来たか見てみます。
今回はSteam Next Festが始まる前に先駆けて前作の『パスパルトゥー』をストリームしてくれた人を対象に先行プレイのデモコードをお送りしました。なので、13日のSteam Next Festが始まる前にWholesome Directに加え、ストリーマーの数が増えるにつれ、ページに来てくれる人の数がどんどん増えていっているのがわかります。
あとSteam Next Festでは開発者ストリームを行ったのと、特設ページのシミュレーションカテゴリで2ページ目に載っていたので、まあまあインプレッションが増え、結果ユーザー訪問数が増えていきました。

 

では実際誰が私たちのページを見てるか?というと、米国>日本>中国>韓国>アルゼンチン・・・という結果です。都市別で見るとソウルからのトラフィックがすごいのですが。

これは前作の『パスパルトゥー』の売り上げと同じ傾向があるので、今回のデモも、英語、日本語、韓国語、中国語、ラテンスペイン語に翻訳しており、その結果といえば結果なんですが、もし翻訳していなければここまで、これらの国からのトラフィックは殆どなかったと言っても過言ではないと思います。特に、今回のゲームはストーリー性が強くなっており、話さないとイマイチよくわからないゲームになっているので。本当に最後バタバタしたけど、翻訳してよかったと思えた結果になりました。

 

ソーシャルメディアからの流入はそこまでなかったですが、DiscordとMailcimp(メルマガ)以外は認知目的な部分が多いので、特にトラフィックが少なくても気にしていません。良かったのはSteam Next Fest中にDiscordが4000メンバーを超えた事。理由はデモの感想やフィードバックをDiscordで大絶賛募集中!と呼びかけてたからですね。
※下の表は3972って書いてあるんですが、今日調べたら4022メンバーになってました!順調に増えとる。

 

おまけ

 

数字をとり忘れたのですが、Steam ページ内でストリーミングした時としない時を比べると、している時の方が圧倒的にWishlistの数は高くなります。なぜなら、ページに来た瞬間に誰かが遊んでいるのが自動再生されると、その瞬間に何のゲームかがわかるから。特にパスパルトゥーのような「燃え尽きた画家のシミュレーションアドベンチャー」説明文+トレイラーとスクリーンショットだけでは、結構意味がわからないので。

ちなみにずっとストリーミングしているわけではなく、1回目はライブ配信して、それを録画しておき、録画したものを後はループしておきます。結構PCが熱くなってくるので、あまりターゲットユーザーがいない時間帯、うちだとヨーロッパの朝方はPCを休ませる為に配信を止めています。

 

こちら実際の開発者ストリーム
アニメーターのニコラスとディレクターのマティアス。半分くらいは全然ゲームに関係ない事話している「スウェーデンのトマトまずい」とか「スウェーデンのカモメは危険」とかのも、ほっこりできて反応良かったです。

youtu.be

 

 

 

まとめ

 

  • イベントはワンツーパンチ!出来るだけイベントが始まる前にプレス、メディア、インフルエンサーキャンペーン、オンラインイベント参加、そしてオオトリのイベントへ、みたいなハイプを徐々に上げて良い結果を出せるようにする。
  • イベントに向けて情報を出せるソーシャルメディアは日頃から温めておく
  • 日頃のSteam Pageにやってくるユーザーを見てローカライズを準備しておく
  • デモってメディアに取り上げてもらいにくいけど、とりあえずプレスは出す
  • 自社のゲームを一度でもやってくれたストリーマーやメディアのリストを貯めておく(初めてのゲームの場合は類似ゲームを遊んでいるストリーマーやメディアのリストでも良い)
  • Steam Next Festに参加するタイミングは、フルリリースの直前って決めているパブリッシャーも多いけど、多分リリースするまでに余裕があれば早く出して早く反応見るのも悪くない。Wishlistも集められるし(デモ作るの大変だけど)
  • ルリリース日を発表してなくてもデモをSteam Next Festに出しても大丈夫。聞かれるけど「ペンキが乾いたら」と返答している。フルリリース日を適当に決めて、その約束を守れないよりも、TBA(To Be Announced)発売予定未定。としておいた方が良いとうちのスタジオは思ってます。ゲームはできても、ポーティングや翻訳なんかで、結構かかるので、ちゃんとみんなと約束できるまではリリース日は公開しません。
  • ストリーマーがストリームしてくれたら反応や不具合なんかをちゃんと見る。
  • Discordでデモのバグや、ゲームの中で欲しいアイテムを書いてもらうチャンネルを準備しておく
  • 開発者ストリーミングはAMA(Ask Me Anything)なんでも聞いてね!の会でとても良かった。

 

改善できる事

 

  • 人気ストリーマーには余裕を持ってコードを送る。多分最低でも2週間前、できれば3週間前。本当にみんな忙しい。
  • デモはあんまりメディアに取り上げてもらえないだろうと思い、準備していなかったのだが、ストリーマーの人達が忙しすぎるのに気づいて「やばい」ってなって急遽プレスを準備しメディアに送った。やっぱり伝統メディアもちゃんと対応すべきだった。
  • イベント中に旅行しない。いや、もう全部準備できてたからいいや、と思って旅行に行ったんですが、不測の事態とか結構起こりまくったんで、WiFiが安定しているオフィスにいた方がいいです。切実に!!
  • 翻訳期間3週間しかなかった。もうバタバタだったので次回は1ヶ月くらい前から翻訳開始する。LQAも十分にできるように。

 

という事で、今回のイベント簡易おさらいでした!質問あればなんでも聞いてください。そしてWishlistよろしくお願いしますー!

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